2021年05月27日
民具DAY
前回のブログのハチの巣、昨日巣のあるじ(ハチ)がお出かけ中に落としました…サボ子です
しっかりくっついていて、落とすのに一苦労
「ごめーん、ごめーん」と言いながら刺されることもなく無事に玄関先からなくなりました
さて先日、有道杓子の若き師匠から、民具好きの人たちと「飛騨市美術館」の収蔵庫へ行くので一緒にどうですか?とお誘いをいただきました。
当日お会いしてみると、みなさんわたしより若い方ばかり10人ほど。
しかし、民具への愛と知識がとんでもない方ばかり
いいところへお邪魔させていただいた…感動に打ち震えながら、いざ収蔵庫へ。
高い天井の広い収蔵庫にはいくつも棚があって、その上に所狭しと黄色い札のついた文化財として指定された民具がズラリ。
最初に並んでいるのは大工道具。
我が家の手道具大好きな大工こそ、仕事を休んで来るべきだったかも…。
なんだこの大きな墨壺!使いにくそう
どの道具も地震が起きても落ちないように、一つ一つ紐で棚に固定されていて、手で触ることはNG。
何に使うのかわからないものは、あちこちに下げてある厚い目録を見て答えを探します。
棚の横には大型のものが。
「これは何に使うんですか?」と近くの方に聞くと、
「これは一本ゾリですね」若い女性なのによくご存知
「ここをこう持って、間に木材を入れて運ぶんです。宮川ではあんまり人気がなくてキンマの方が使われたそうです」
伝えてくださる情報がこれまた素晴らしい!
やはり飛騨市、雪にまつわる道具も多くて見入ってしまいます。
こんな竹のそりも。
藁で編んだ雪靴やはばき、バンドリなどもたくさん。
その美しさに惚れ惚れしたのは、縄いろいろ。
そして、お弁当箱のワッパがたくさん。竹で編んだ弁当箱(?)
眺めているとシアワセです。
「そういえば杓子がありませんでしたね」と若き師匠に話すと、「ありましたありました!」と見つけてくださいました。
(なにせ収蔵品がすごい数)
「これは波模様がありますね」
「有道杓子ですね」
「これはなんですか?」
「これはコブジャクですね」
「コブジャク?」
「木のコブを利用して杓子を作るんです。いろんな場所にあるんですよ」
「木のコブって硬いですよね、どうやって掘るんでしょう」
「これは一回中を焦がして掘るんです」
「焦がす!?」
若き師匠はいろんな場所の杓子を見て回っておいでなので、いろんなことを教えてくれます。
「西洋は平地の森が多くて、木をただの材料として扱っているように思えるんですが、日本は山から木を切り出すのも大変だから、木を大事に使っているような感じがあります」
というようなことを話してくれました。
実際彼は、有道杓子の端材から新たなものを作り出しておられる。
じっくり収蔵庫を堪能したところで、以前「石棒クラブ」主催の「宮川考古民俗館ツアー」でお世話になった飛騨市の学芸員・三好さんが顔を出してくださいました。
この収蔵庫は、湿度をよく管理されていて、道具には椿油などが塗られてとても大事にされていることがわかりました。
「この道具を借りることはできるのですか?」
と聞いた方があったのですが、博物館などへの貸し出しはあっても一般への貸し出しは難しいとのこと。
しかし!
ここにあるのは指定文化財ばかり。
実はもっともっとたくさんの数の「指定文化財」になっていない道具たちが飛騨市内にあるそうで…。
その中で、学校の授業や介護施設で使う「回想法」などのための「民具の貸し出しパックなるものがあるというのです!
すごいな飛騨市!
一覧を見せていただきました
拡大してご覧ください。おもしろいカテゴリー!
これは触っても使ってもいいんだそうですよ。しかも、飛騨市の人でなくても借りられるんだそうです。
まだまだたくさんの道具がある中で、
「道具は道具として全うさせてあげたい」と学芸員の三好さん。
「この道具たちを使える人がギリ残っている今、実演するのを見せてもらう機会があったらいいですね」
「実際に昔の道具を使ってみたいです」
参加の皆さんからいろんな意見が出ていました。
わたしは夜家に帰ってから、一本ゾリを使う画像を検索してみました。
うーん、道具も気になるけど、道具を使う人の体の使い方も間近で見てみたい
7月3日からは、この山の道具を展示する企画展があるそうです。
お、ちょうど一本ゾリの写真も載っていました!
まだちょっと先の企画ですが、楽しみです〜
Posted by サボ子 at 21:21│Comments(0)
│つれづれ
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