2019年10月04日

漆にご用心!

この春から、ずーっとやってみたかった「金継ぎ」を習っております。

割れた食器などを接着してその上に金をまく、あの方法です。
古道具屋さんに行っても、たまーに金継ぎをした食器を見ることがありますね。

場所は、国府町宇津江にある「やわい屋」さん。
素敵なお店の中で、松本からいらっしゃる若い先生にみんなでワイワイと習っています。

4月から毎月1回。
11月まであるので、たくさんの器が直せるだろうな〜と思っていたら…。

なんと、毎月ひと工程ずつしか進まない!!!
そんなわけで、2種類の器を8ヶ月かけて修復することにしました。
まずは、beforeの状態。

漆にご用心!

同じ国府町の弓削陽子さんの昔の作品と、上から小瓶が落ちてきてあっけなく割れた大分の小鹿田焼の小皿。
欠けたものと、割れたもの。

そして、この欠けや割れを修復するメインの材料は漆!!!
ボンドやア○ンアルファではなかった…。

「人によっては漆にかぶれると大変なことになるので…」と先生。

ゴム手袋必須。(下にワセリンを塗るとさらに安心)
マスク
腕ぬき
などを用意。

「ちょっと油断してメガネなんか触っちゃうとそこからきますよ」
わたし、絶対やりそう。

さらに、松本へ通って金継ぎをマスターされた「やわい屋」のご主人・朝倉さんも、
「油断した頃にきましたよ、夫婦揃って。触ったところじゃなくて、二の腕とか弱いところに出るんです。そりゃもう大変!」
そういえば、神岡の漆山という集落出身の人は、周りが漆の木だらけで同級生が一人も遊びに来れなかったと話していたな…。

恐るべし…漆…。

とにかく慎重に慎重に、触らないように触らないように作業。
でもなんだか身体中がムズムズする…。
家へ帰ったらすごいの来るかも…。
未だ経験したことがないわたしは、なんとなく漆かぶれも経験して「ドヒー!」と言ってみたい気もする…face15

この日の作業は、ムズムズしつつも無事に器を張り合わせ、欠けを埋めて終了。
なんと漆は湿気がないと乾かないとのことで、衣装ケースを「室(ムロ)」にして、濡れた布などと一緒に保管。
ちょうど1ヶ月後の次の教室まで置かなくてはならないんだとか!

えええ!!!そんなにかかるんですか?

材料費も教室も、そんなに安くはないから覚悟はしていたけど、やっぱり手間がかかるんだ〜!
それに、祭り屋台の修復費用のほとんども漆の値段だと聞いたこともある。

全身ムズムズしながら帰宅。
「2、3日後に出ることもありますから」と言われ、「こりゃ決定だな…」と覚悟を決める。

2日経っても、
3日経っても、
4日経っても、




変化なし



あのムズムズはなんだったのだろう…。
かぶれて痒い話を聞いて、「その気になっただけ」だったのだろうか…。

引き続き、家でも復習をするとよいと言われ、これまた豪快に割った大きな小鹿田焼の皿(取っておいてよかった)を修復。
家でも慎重に。

教室では2ヶ月経ち、3ヶ月経っても、漆にかぶれる人が誰ひとりとして出現せず。
わたしもだんだんいい加減になってきた。

工程が進むと、はみ出した漆を彫刻刀で削って漆の粉が舞い散る教室に。
マスクも忘れ、腕ぬきもしないでガシガシ削ります。

家では家族がかぶれてはいけないので、ひとりの時間に扇風機を止めて汗だくで作業。
あ、今日バリバリ半袖やった…。

ここまできて、「この後すごいの来るんでしょ!」と思ったあなた!
ご期待に添えずすみません!😆

結局、バリバリ半袖で家で作業したすぐ後に腕にちょっとポツポツが出て、
「変なものでも食べたかな…?あ!漆か!」となったくらいface15

油断に油断を重ねて、そろそろ「かぶれる心配もなくなってきましたよ」と先生が言われる工程に入ってきました。
それぞれの器の漆を固めたあと、黒漆を塗って、もうこのまま使ってもいいのだそうです。


漆にご用心! 漆にご用心!


漆にご用心!漆にご用心!

黒漆の光沢が綺麗です。

そして、いよいよ先日この上に赤い弁柄漆を塗って金をまきました。
あとは、その上から漆を塗る作業と、磨く作業の2工程を残すのみ。

金をまいたのは、出来上がってからまたアップします。
うちでもやれるように、金の粉をもう一袋買ってきました。
0.1グラムで1000円也。

吹けば飛んでく金の粉をかき集めながらする作業も、これまた笑える工程でした。
器に残ったヨーグルトだとかカレーだとか、日々かき集める訓練をしていますからね!得意得意!
それにしても必死に金粉を無駄にしないように使う作業は、現代人には必要な「修行」のようでした。

家でも、間違えてクシャミなんかしないように頑張ってみます!

漆にご用心!

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Posted by サボ子 at 12:23│Comments(0)つれづれ
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