ご来場ありがとうございました!

サボ子

2018年08月22日 14:34

18日(土)、19日(日)は、スタッフをやらせていただいている「つきいちシネマ」の8月上映『被ばく牛と生きる』でした。

ご来場くださったみなさんや、ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました!

今回は、国府町「あじか」にある「ありがとうの広場 すえひろ」さんを会場に、つきいちシネマでは初めて監督さんをお迎えして、すべての回にトークもしていただきました。
毎回メモで記録を残してFacebookで紹介していますが、今回は、松原保監督のトークをこちらの「ひだっち」でもぜひ観ていただきたいと思います!
ホントのところ、ネットには載せられないようなお話もたくさんあったのですが、知っていただきたいことがもっともっとあります!
参加された方の特権も残しつつ、独断と偏見でざっと紹介という感じになりますが、(それでも長いです!)ぜひご覧ください

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どの回にも本当に熱をもって語り、みなさんの話に真剣に耳を傾けておられた監督の姿がとても印象的。

はじめは、被ばく牛の映画を撮ろうと福島入りしたのではないという松原監督。
普段は、企業のPR動画や、テレビのドキュメンタリーなど、依頼された映像を撮るお仕事をされているとのこと。

30年程前に仕事で行った相馬野馬追のことが忘れられず、2011年の震災と原発事故の後、「もう野馬追はできないかもしれない」ということを聞いて、事故後の5月に福島へ向かったのが始まりだったとか。
そこで、いろんな牛飼いさんたちに会うことになり、いつしか住まいのある大阪から850〜900㎞の道のりを車で、4年半のうちに50回ほど通って撮影したとのこと。

撮られた映像は、カメラ2台でそれぞれ500時間くらい。
編集には時間をかけ、できる限りベストチョイスをしたとのことでした。

映画そのものは、イデオロギーを排除して事実だけを描くようにしたいと思った。無党派層、迷っている人、いろんな人に間口を広げて観てもらい、考えてもらえるように作った。

チェルノブイリ事故があってから施行された「チェルノブイリ法」は、(国によって内容は異なるようですが)30㎞圏内の強制移住(町は封鎖・消滅)・移住の推奨(助成金制度)・事故にあった人の孫の代までの健康のための助成金など、住む人たちへの長いスパンでの健康を守る制度。
それがない福島。さらに、除染をして町へ人を戻そうとしている。

参加された方から、「子どもの頃、放射能は長い年月なくならないと聞いたが除染に意味はあるのでしょうか?」と質問。
除染されているのが、学校や保育所・平地・農地・道路脇5mなど。
山や林は全く除染されずそのまま。
人間の活動範囲は広い。モニタリグポストの下には鉄板とコンクリートで固められていて、福島の人はその値を信じていない。
除染費用も当初は8000億と言われていたが、2兆3兆とふくらみ、廃炉費用まで含めると100兆とも言われている。
さらに、除染された農地は、削られた表面5〜6センチの土の中に何十年もの農家の成果が詰まっている。

牛飼い農家さんたちのその後についても質問が相次ぎました。
撮影が始まった頃は1000頭ほどいた牛たちも、今は500頭ほどになっているそう。
本来10年〜15年の牛の寿命を全うさせるまで頑張る農家さんたち。
被ばく牛を研究に使うという目的が飼う理由になっているが、その研究費用も少ないため(国からの補助は無し)検体数が少なく、ちゃんとしたデータが取れないことも現実。

牛の繁殖には血統が一番重要。
長い年月をかけて改良に改良を重ねてきた農家さんたちに、牛を殺処分するためのサインをさせるという政策。(口蹄疫や鳥インフルエンザのように強制処分ではない)

取材を続けるうちに、津波被害に遭った町と原発事故の被害に遭った町とは大きく違うと感じた。

ドキュメンタリー映画はシネコンなどでもかからないし、若い人が観に来ない。テレビでもドキュメンタリーは少なくなっている。
さらに、福島のツライ話を「観たくない」「もういいだろう」という雰囲気。映画館でも「人が入らない」ものは上映してもらえない。福島のドキュメンタリー映画は今後ますます厳しくなる。

参加された小さい子どもさんを連れたお母さんから「この子が大人になってからまた観せたい」とのコメント。
貴重な事実を切りとられたこの映画、長く多くの人に観られることを強く願うワタクシでした。

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来月は、今年廃止された「主要農作物種子法」についてももっと知りたい!ということで、
『種子(たね)』を上映します!

上映日時は、9月15日(土)19時30分〜
場所は、なんとウチのご近所「ともときファーム高山 うりす」です!
詳しくは、またお知らせしますね!



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